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圧縮記帳って知っていますか?

圧縮記帳について

令和元年度補正および令和3年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業は、国の補助金を原資として、サービス等生産性向上IT導入支援事業事務局から補助対象者に交付する補助制度です。

 

補助事業者が、補助金交付の対象となった固定資産の取得又は改良をし、本補助金の交付(支払い)を受けた事業年度において、当該補助金額の範囲内で当該固定資産の帳簿価額を損金経理により減額し、又は確定した決算において積立金として経理した金額に相当する金額は、法人税法第42条の規定に基づき、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入することができるものです。

 

法人税法第42条及び所得税法第42条の規定の適用に関しては、税理士等の専門家にご相談して頂くことが適切な税務処理をする上で有効です。

圧縮記帳とは、本来は課税所得となる利益を将来に繰り延べる制度で、法人税法と租税特別措置法に規定されています。

 

例えば、特定のシステムを購入するにあたり、国からIT導入補助金が給付されたと仮定します。

そのIT補助金を予定どおりシステム購入に充当して、耐用年数(3年)で減価償却します。

すると損金(減価償却費)が一定ならば、システムを取得した初年度の課税所得は大きくなります。

 

そうです。補助金収入は法人税上の益金なので、初年度の課税所得は増えます。

損金に計上できる減価償却費を均等割りすれば、課税所得対象額は高くなります。

せっかく補助金が採択されても、取得した初年度の税金額が大きいと補助金の効果は減りますね。

 

そこで考えられたのが圧縮記帳の制度です。
圧縮記帳は補助金にも課税しますが、「補助金を受取った初年度の課税額」を抑える方法です。

最初の年度だけを大きく減価償却して損金を増やして、翌年度以降の減価償却費を圧縮します。

トータルで支払う税金額は同じですが、初年度の税金負担が減り、翌年度以降の税額は増えます。

つまり、初年度の補助金の効果が出てくることになります。

 

圧縮記帳のメリット
補助金や保険金など圧縮記帳の対象となる給付があった年度では、課税所得が減額されます。

一時的な節税効果と、キャッシュフローの増が発生します。

 

圧縮記帳のデメリット
多くの圧縮記帳資産をもつと、資産管理面で他と区別する等の作業が増えます。

例えば、償却資産税について圧縮記帳は認められませんので、本来の取得価額での管理も必要となります。

また、圧縮記帳の対象の固定資産を利用途中で売却すると、取得価額を減額(圧縮)されているため、売却益が多くなり、課税所得が多くなります。

 

どちらが得というわけではありませんが、補助金をもらった初年度の税負担が減少することは嬉しいですね。

そこで、キャッシュフローが少ない中小企業が助かる可能性は高いと思いますが。