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中小企業が Office 2019 継続利用で注意すべきポイント

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中小企業が Office 2019 を継続利用するとき

サポート期限の確認

Microsoft Office 2019のサポート期限について、中小企業経営者は正確な情報を把握しておく必要があります。Office 2019は既に2023年10月10日にメインストリームサポートが終了しており、現在は延長サポート期間に入っています。

そして、この延長サポートも2025年10月14日に終了することが確定しています。この日付以降、Microsoftからセキュリティパッチ、バグ修正プログラム、テクニカルサポートは一切提供されなくなります。サポート終了まで残り約1年という状況を踏まえ、企業は今すぐに移行計画を立てる必要があります。Microsoft サポート

セキュリティ対策

サポート終了後のOffice 2019は、新たに発見される脆弱性に対する修正プログラムが提供されないため、セキュリティリスクが大幅に増加します。マルウェア感染、ランサムウェア攻撃、情報漏洩などのリスクに企業が無防備な状態で晒されることになります。

特に、最近では中小企業や地方の医療機関を狙った攻撃が増加しており、サポート切れのソフトウェアは格好の標的となります。そのため、継続利用を決定する場合は、追加のセキュリティ対策として、最新のアンチウイルスソフトの導入、ファイアウォールの強化、定期的なバックアップ体制の構築が不可欠です。また、社員に対するセキュリティ教育も重要な対策の一つとなります。

ライセンス管理

Office 2019を継続利用する場合、既存のライセンス契約の詳細な確認が必要です。永続ライセンス(買い切り版)であれば、サポート終了後もソフトウェア自体は使用可能ですが、ボリュームライセンス契約の場合は契約期間や条件を再確認する必要があります。

特に、Microsoft 365への移行を検討している企業では、既存のOffice 2019ライセンスとの重複や競合を避けるため、ライセンス体系の整理が重要です。また、従来のOpenライセンスプログラムは2022年1月で終了しており、新規購入や追加ライセンスが必要な場合は、CSP(Cloud Solution Provider)プログラムやその他の選択肢を検討する必要があります。

ライセンス管理者は、現在のライセンス台数、利用実態、将来の拡張計画を総合的に評価し、コスト効率の良い運用方針を策定することが求められます。

互換性の確認

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Office 2019を継続利用する際は、将来的なファイル互換性の問題を慎重に検討する必要があります。取引先や協力会社がMicrosoft 365やOffice LTSC 2024に移行した場合、新機能を使用したファイルがOffice 2019では正常に表示・編集できない可能性があります。

特に、.docx、.xlsx、.pptxなどの標準的なファイル形式については基本的な互換性は保たれますが、新しいバージョンの高度な機能(共同編集、リアルタイム更新、クラウド連携機能など)は利用できません。

また、VBAマクロについても、新しいバージョンで追加された関数やオブジェクトを使用している場合は動作しない可能性があります。継続利用を決定する前に、重要な業務ファイルやマクロが将来も問題なく動作するか、主要な取引先のOffice環境との互換性を維持できるかを十分に検証することが重要です。

費用の見直し

Office 2019の継続利用における費用対効果を総合的に評価する必要があります。一見すると、既存のソフトウェアをそのまま使用することでコストを抑制できるように思えますが、実際にはセキュリティ対策の強化、IT管理コストの増加、互換性問題による業務効率の低下など、隠れたコストが発生する可能性があります。

Microsoft 365への移行費用と比較検討する際は、初期移行コスト、月額ライセンス料、トレーニング費用だけでなく、クラウドによる業務効率化、自動バックアップ、最新機能の利用によるメリットも考慮に入れる必要があります。

また、Office 2019のサポート終了により、将来的には必然的に新しいバージョンへの移行が必要となるため、移行時期を先延ばしにすることで結果的により多くのコストが発生する可能性も考慮すべきです。中長期的な視点での費用対効果分析が、適切な意思決定の鍵となります。

継続利用に向けた優先事項

Excel使用時の重要な設定

Excelを安全に継続利用するためには、マクロ機能のセキュリティ設定を最高レベルに引き上げることが最優先です。「ファイル」→「オプション」→「セキュリティセンター」→「セキュリティセンターの設定」から「マクロの設定」を開き、「警告を表示してすべてのマクロを無効にする」または「警告を表示せずにすべてのマクロを無効にする」を選択してください。

業務上マクロが必要な場合は、信頼できる発行元のマクロのみを有効にし、定期的にマクロの内容を確認することが重要です。また、外部データソースとの接続(Power Query、外部データベース接続など)についても制限を設け、不審なファイルは絶対に開かないよう社員に徹底教育を行います。

ファイル共有時は、信頼できる相手のみに限定し、可能な限りPDF形式での共有を検討することで、セキュリティリスクを最小限に抑えることができます。

Word・PowerPoint使用時の対策

Word・PowerPointの継続利用では、文書保護機能を最大限活用することが重要です。機密文書については、パスワード保護、編集制限、透かし挿入などの保護機能を適切に設定し、情報漏洩リスクを軽減します。特に注意すべきは、不明な送信者からのファイルは絶対に開かないことです。

メールに添付されたOfficeファイルは、マルウェア感染の主要な経路となっているため、差出人の確認、ファイル名の妥当性チェック、ウイルススキャンを必須とします。

また、インターネットからのテンプレートダウンロードは制限し、社内で承認されたテンプレートのみを使用するよう運用ルールを策定します。これらの対策により、サポート終了後のセキュリティリスクを大幅に軽減できます。

セキュリティ面で気を付けること

更新適用の方針

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Office 2019のサポート終了後は、Microsoft Updateからの自動更新が停止するため、明確な更新適用方針を策定する必要があります。サポート期間中に提供される最後の更新プログラムを確実に適用し、その後は更新を停止します。ただし、Windows OSのセキュリティ更新は継続されるため、Office以外のシステム更新は継続的に実施する必要があります。

また、Office 2019と連携する他のソフトウェア(Adobe製品、ブラウザ、PDFリーダーなど)のセキュリティ更新は継続して適用し、システム全体のセキュリティレベルを維持します。更新管理ツールやWSUS(Windows Server Update Services)を活用して、組織全体で統一された更新管理を実施することが重要です。セキュリティ更新の適用状況を定期的に監査し、漏れがないかを確認する体制も整備します。

マクロと添付ファイル

マクロと添付ファイルは、サポート終了後のOffice 2019における最大のセキュリティリスクです。マクロウイルスやマルウェアの感染を防ぐため、マクロの実行を原則として禁止し、業務上必要な場合のみ例外的に許可する運用ルールを策定します。

信頼できる発行元以外のマクロは一切実行せず、既存の業務マクロについても定期的なセキュリティ監査を実施します。メール添付ファイルについては、実行可能ファイル(.exe、.bat、.comなど)の受信を完全にブロックし、Officeファイルについても送信者の確認とウイルススキャンを必須とします。

また、USB等の外部メディアからのファイル読み込みも制限し、やむを得ない場合は事前承認制とします。これらの対策により、外部からの脅威を効果的に遮断できます。

権限とアクセス管理

Office 2019の継続利用では、ユーザー権限とファイルアクセス管理の強化が不可欠です。Active Directoryやローカルグループポリシーを活用して、各ユーザーの職務に応じた最小権限の原則を徹底します。管理者権限の付与は必要最小限に留め、一般ユーザーにはソフトウェアのインストールや設定変更権限を与えません。

ファイルサーバーやネットワーク共有フォルダについても、部署やプロジェクト単位でアクセス権限を細かく設定し、機密情報への不要なアクセスを防止します。また、定期的な権限監査を実施し、退職者や部署異動者の権限削除漏れがないかを確認します。

さらに、ファイルアクセスログの取得と監視により、不審なアクセスパターンを早期に検出する体制を構築することで、内部脅威にも対応できるセキュリティ体制を整備します。

ライセンスと契約を正しく理解する

ライセンス形態の確認

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Office 2019のライセンス形態を正確に把握することは、継続利用の前提条件です。主要なライセンス形態には、永続ライセンス(買い切り版)とボリュームライセンスがあり、それぞれ異なる権利と制限があります。永続ライセンスの場合、ソフトウェアの使用権は永続的ですが、サポートやアップデートには期限があります。

Home & Business、Professional、Professional Plusなどのエディション別の機能差異も確認が必要です。ボリュームライセンスの場合は、Open License、Select License、Enterprise Agreementなどの契約形態により、ライセンス管理方法や追加購入条件が異なります。

特に、2022年1月でOpen Licenseプログラムが終了したため、既存契約の維持・更新方法を確認し、必要に応じて新しいライセンスプログラムへの移行を検討する必要があります。ライセンス証書や契約書を再確認し、不明な点はMicrosoftまたは正規販売店に問い合わせることが重要です。

台数と利用範囲

ライセンス台数と利用範囲の適切な管理は、コンプライアンス維持の要です。Office 2019の多くのライセンスは1ライセンスあたり1台のPCへのインストールが基本となっており、複数台での同時使用は違反行為となります。ボリュームライセンスの場合でも、購入した台数分のみのインストールが許可されており、超過使用は著作権法違反となる可能性があります。

在宅勤務やテレワークの普及により、社員の個人PCへのインストール要求が増加していますが、これは多くの場合ライセンス違反となります。また、仮想環境での使用についても特別な規定があり、通常のライセンスでは仮想マシンでの使用が制限される場合があります。

定期的なライセンス監査を実施し、実際のインストール台数と購入ライセンス数を照合することで、コンプライアンス違反を防止し、必要に応じて追加ライセンスの購入を検討します。

契約更新の判断基準

Office 2019の継続利用か新バージョンへの移行かを判断する際の明確な基準を策定することが重要です。まず、現在のライセンスコストと新バージョンのライセンスコストを比較し、ROI(投資収益率)を算出します。ただし、単純な価格比較だけでなく、セキュリティリスクのコスト、互換性問題による業務効率低下、将来の拡張性なども考慮に入れる必要があります。

業務要件の変化も重要な判断要素です。クラウド連携、リモートワーク対応、共同編集機能などの新機能が業務効率向上に寄与する場合は、移行メリットが大きくなります。また、業界規制や顧客要求により最新のセキュリティ対策が必要な場合は、サポート終了後のOffice 2019継続使用はリスクが高すぎる可能性があります。これらの要素を総合的に評価し、経営陣とIT部門が連携して戦略的な判断を行うことが求められます。

運用と移行での現実的な準備

バックアップ体制

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Office 2019の継続利用では、堅牢なバックアップ体制の構築が生命線となります。サポート終了により修復手段が限定されるため、データ損失リスクに対する備えを強化する必要があります。まず、重要な業務ファイルについては、3-2-1ルール(3つのコピーを2つの異なるメディアに保存し、1つは遠隔地に配置)を適用します。

自動バックアップシステムを導入し、日次・週次・月次の多段階バックアップを実施することで、障害発生時の迅速な復旧を可能にします。クラウドストレージサービス(OneDrive、Google Drive、Amazon S3など)の活用により、地理的分散とアクセシビリティの向上も図ります。

また、定期的なリストア試験を実施し、バックアップデータの整合性と復旧手順の有効性を確認します。バックアップログの監視とアラート機能により、失敗時の早期発見・対応も重要な要素となります。

互換性検証手順

Office 2019を継続利用する場合、将来的な互換性問題に備えた検証手順を確立することが不可欠です。まず、業務で使用する重要なファイル(Word文書、Excelブック、PowerPointプレゼンテーション)のインベントリ(資産台帳・目録)を作成し、優先度別に分類します。

次に、取引先や協力会社のOffice環境を調査し、バージョンの違いによる互換性問題の可能性を評価します。特に、マクロやVBAスクリプトを含むファイルについては、新しいバージョンとの互換性テストを実施し、問題が発見された場合の代替案を準備します。

ファイル形式の標準化も重要で、可能な限り互換性の高い形式(.docx、.xlsx、.pptx)での保存を徹底します。また、PDF変換による互換性確保や、互換性問題が発生した場合のエスカレーション手順も整備し、業務継続性を確保します。

クラウド移行の検討

Office 2019の継続利用と並行して、段階的なクラウド移行戦略を策定することが重要です。Microsoft 365への完全移行が困難な場合でも、OneDriveによるファイル同期、Teams による通信基盤、SharePointによる文書管理など、部分的なクラウド活用から始めることができます。

まず、パイロットプロジェクトとして特定の部署やプロジェクトでクラウドサービスを試験導入し、効果とリスクを評価します。セキュリティ要件、コンプライアンス要件、ネットワーク帯域、ユーザートレーニングなどの課題を特定し、対策を講じます。

また、ハイブリッド環境での運用ノウハウを蓄積し、将来の本格移行に備えます。クラウド移行により、自動アップデート、高可用性、災害復旧、スケーラビリティなどの恩恵を受けることができ、長期的にはコスト削減と業務効率向上を実現できる可能性があります。移行タイムラインと予算計画を策定し、段階的な実行により リスクを最小化しながら移行を進めることが成功の鍵となります。

継続利用の優先事項と次の一手

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Office 2019の継続利用を決定した中小企業にとって、2025年10月14日のサポート終了まで残りわずかという限られた時間の中で、戦略的な対応が求められます。まず、即座に実施すべき優先事項として、現在のライセンス状況の棚卸し、セキュリティ設定の強化、バックアップ体制の構築を挙げることができます。これらは業務継続の基盤となる重要な要素です。

中期的な視点では、Microsoft 365やOffice LTSC 2024への移行計画の策定が不可欠です。完全移行が困難な場合でも、段階的な移行戦略を立案し、パイロットプロジェクトによる効果検証を行うことで、リスクを最小化しながら次世代環境への移行を進めることができます。

最終的に、Office 2019の継続利用は一時的な措置として位置付け、長期的なデジタル変革戦略の一環として次世代プラットフォームへの移行を計画することが、中小企業の持続的成長と競争力維持の鍵となります。今こそ、デジタル化の専門家との連携により、企業固有の要件に最適化された移行戦略を策定し、実行に移すべき時期であると言えるでしょう。

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