ものづくり補助金の申請ポイント

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ものづくり補助金の申請ポイント

H29年度補正、ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス経営⼒向上⽀援事業)が、2月28日から公募開始されました。目的は、国際的な経済社会情勢の変化に対応し、足腰の強い経済を構築するため、生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための中小企業・小規模事業者の設備投資等の一部を支援する。

ものづくり補助金の申請

支援内容・支援規模について
​(1)企業間データ活用型
補助上限額:1,000万円/社※(補助率 2/3)
複数の中小企業・小規模事業者が、事業者間でデータ・情報を共有し、連携体全体として新たな付加価値の創造や生産性の向上を図るプロジェクトを支援。
※連携体は10社まで。さらに200万円×連携体参加数を上限額に連携体内で配分可能。

(2)一般型
補助上限額:1,000万円(補助率1/2)※
中小企業・小規模事業者が行う革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善に必要な設備投資等を支援。
※生産性向上特別措置法(案)(平成30年通常国会提出)に基づく先端設備等導入計画の認定もしくは経営革新計画の承認を取得して一定の要件を満たす者は、補助率2/3。

(3)小規模型
補助上限額:500万円(補助率 小規模事業者2/3、その他1/2)
小規模な額で中小企業・小規模事業者が行う革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を支援。(設備投資を伴わない試作開発等も支援)
※専門家を活用する場合 補助上限額30万円アップ(1~3共通)します。

募集期間
​平成30年2月28日(水)~平成30年4月27日(金)〔当日消印有効〕
※電子申請の開始及び締切等については随時情報が公開されます。

1.事業計画の概要

事業計画名は、公募採択された時に公表されるので、事業計画の内容と整合性を取ること。
事業計画の概要は、事業計画名に沿って、現状の課題を明確にして事業実施の効果を、最大文字長(100文字)を有効に活用して書いてください。

事業の具体的な内容(ここがポイント)

事業として「何を」「どんな方法で」「どうやって実現するのか」を記述します。

(1)会社概要

事業の対象市場・顧客層や、商品・サービスの説明は、写真・イラスト・図表など第三者が見てもイメージがつかみやすい表現にすること。自社の強みは「他社にない特徴」や「顧客から褒められたこと」などを書いてくこと。

(2)事業の背景

外部環境の変化に対して、自社の社内環境はどうなっているのか。その結果どのような課題が生まれてきているのか。その課題を解決するため補助事業に取組んで、どのような解決が出来るのかを、わかりやすく書くことが理想である。

例)「当社では売上高の確保が課題となっている。今回の補助事業に取組むによって新商品を開発して、新たな○○市場にも進出したい」という書き方になる。

(3)本事業の実施事項

補助事業として「何を」するのか、そのためには「どのような設備」が必要かを書くこと。導入する設備スペックも具体的に記入する。現状設備との性能比較を入れても良い。

例)
「本事業において新商品○○を開発するため、試作品は現状の設備性能(△△)ではできないため、□□社の△△設備を導入したい」という書き方になる。

(4)事業分野と関連性について

中小企業庁ホームページを参照して、事業が「どの技術を使うのか」「どのような顧客ニーズを満たすのか」「どのように高度化目標を達成するのか」を書くこと。

(5)事業を実施する上での技術的課題とその解決策及び目標

「設備の導入後にどのような順序で課題を解決していくのか」「どのような創意工夫で課題を解決していくのか」など、設備導入後における企業努力のアピールが必要である。課題を解決するために、定量化(数字で表示)した目標値で設定すること。書き方としては現状値と目標値の比較表を使うと分かりやすい。

例)
最新IT機器とソフトウェアを導入して、生産性向上と経費削減を図るケース。
<前提条件:出荷量5千万円(10%)増、時間外勤務1200h(30%)減を設定>
・IT設備に不慣れなため「操作の遅れ」で作業時間が増加、生産効率が悪化する。
・出荷量増のための「工程入替」や「手順変更」で、仕掛品が増えて生産効率が悪化する。
・出荷量増のために「ケアレスミス」が頻発、手戻りで納品が遅れて迷惑がかかる。

など課題が発生するかもしれません。この技術的な課題に対してその解決策を記述していくこと。

(6)本事業を遂行することで得られる優位性

自社の優位性を見つけるには、Q(品質)C(コスト)D(納期)に分けて考えると見つけやすくなります。具体的には、Q(性能、機能、デザイン)、C(生産効率向上、製造能力)、D(リードタイム、物流力)など、競合他社と比較で優位性がアピール出来る。

(7)本事業の実施体制

社内外の役割分担を説明して、しっかりと補助事業が遂行できる環境にあることをアピールする。補助事業を実施する上で会社間の役割や社内の役割分担を書くこと。これも図表を使うと分かりやすくなる。このとき「なぜその人を担当にしたのか」という理由も書くと説得力が増します。

(8)事業遂行のスケジュール

交付決定から事業完了まで(およそ3~5年間)の具体的なスケジュールを書くこと。スケジュール表の各項目について「誰が」「何を」「いつまでにするか」を具体的に書き込んでいくこと。

(9)当社の財務状況と資金調達方法

ものづくり補助金では「財務状態は問題ないか」「資金調達はしっかりできるのか」も問われるので、この項目もしっかり書くこと。

2.「将来の展望」

将来の展望
補助事業で開発した商品を、どのように事業化して収益に結びつけていくのかを書きます。

(1)市場の動向

「こういう理由で市場は成長すると見込んでいる」という根拠をしっかり書くこと。なお、根拠を作りこむ際には「民間の調査会社」や「金融機関のレポート」や「経済産業省」などが公表している統計データを参考にして活用してすること。なお、このデータやレポートを参考にする場合は「○○のデータによる」という形で出典元を明記すること。

(2)顧客の動向とニーズ

ターゲットとなる顧客を明確にした上で、その「顧客の動向」や「顧客のニーズ」を明記すること。この「顧客のニーズ」が最も重要となる。

例)
「当社のターゲット○○社は△△という理由から、今後も成長が期待できる。当社の○○という商品は□□という○○社の顧客ニーズを満たすため、安定した受注が確保できると見込んでいる」という書き方になる。

(3)事業化に向けての取組み

事業化に向けた大まかなスケジュールを表にする。事業化のスケジュールは3~5年ぐらいの期間で何をするかを書く。スケジュールの各項目で、具体的に何をするのかを書くこと。

事業化の取組

例)
1年目:設備導入~新商品開発
□□社の△△設備を導入し、新商品を開発する。
2年目:既存顧客へのサンプル納入
商品開発後、既存顧客である○○社に対してサンプルを納入し評価をしてもらう。
3年目:商品の改善及び既存顧客への営業
サンプル評価をもとに商品に改良を加えるとともに、既存顧客の○○社に対しての営業活動を本格化する。
4年目~:新規顧客開拓
△△などの業界向け展示会に出展して見込み客を確保、本格的新規顧客開拓を開始する。

といった具合に具体的な活動計画を書くこと。

(4)売り上げと損益計画

資金計画の確実性として、「売上の根拠」を具体的に示し、「なぜ売上が伸びるのか」「誰に売るのか」「そのために何をするのか」などを、明確に分かるようにして下さい。

3.その他加点項目について

ものづくり補助金には事業計画に加えて、加点項目がありますので、対象項目に該当がある場合は漏れなく明記してください。

(1)生産性向上特別措置法(案)に基づいた、固定資産税ゼロの特例を措置した自治体において、当該特例措置の対象となる先端設備等導入計画の認定企業

(2)有効な期間の経営革新計画の承認(申請中を含む)、または経営力向上計画の認定(申請中を含む)、または地域未来投資促進法の地域経済牽引事業計画の承認(申請中を含む)のいずれかを取得した企業

(3)総賃金の1%賃上げ等に取り組む企業

(4)小規模型に応募する小規模企業者

(5)九州北部豪雨の局地激甚災害指定を受けた市町村に所在し、被害を受けた企業

4.申請でやっていけないこと

(1)致命的なミスを侵さないこと

・記載漏れやミス、提出物の不備があること
・計画の具体的な実行性が低く、失敗リスクが高いこと
・計画の根拠や効果が分かりにくいこと

(2)記載が足りないこと

・顧客ニーズの具体性や客観性
・競合他社との差別化と、工夫の具体性
・財務や高齢化など事業継続の弱み
・何を、誰から、いくらで仕入れるなど、資金使途の具体性

最後に、申請書ができたら第三者の方に読んでもらうことが大事です。第三者が読んで理解できない内容なら審査員の方も分からないと思って良いです。第三者の方に読んでもらって指摘を受けることで、新たな気づきが生まれて、よりよい申請書になります。